何が変わったのか
OpenAIは2026年9月3日、ChatGPT Sitesの所有者が、ワークスペース外の指定した相手へライブのSiteを閲覧者として共有できるようになったと案内しました。相手をメールアドレスで招待する方式で、編集権限は付かず、Siteをインターネット全体へ公開する必要もありません。
営業なら、初回商談後に送る「課題の整理・次の打ち合わせ・確認したいこと」を、添付ファイルではなく短い案内ページにして渡せます。採用なら候補者別ではない説明会の案内、企画なら社外レビューを頼む検討用ページにも使えます。大事なのは、これは限定共有の案内面であり、契約・見積・個人情報の保管場所ではない、という線引きです。
誰のどんな作業に効くか
- 営業:商談後の論点、導入イメージ、次回までの確認事項を1つのURLにまとめる
- 人事:会社紹介、選考の流れ、説明会資料へのリンクを、候補者に見やすく渡す
- 企画:非機密のたたき台を、社外の協力者やレビュー担当へ限定して見せる
メール本文だけでは長くなり、PDF添付では更新版の取り違えが起こりやすい場面で有効です。一方で、招待する相手が1人でも、顧客固有のデータを入力する許可があるかは別問題です。まずは社外公開済みの会社情報と、確認済みの一般的な説明だけで試します。
12分で試す:商談後の「次の一歩」ページを作る
Step 1:載せる情報を4ブロックに絞る
最初は、(1) 相手が確認したい課題、(2) 提供できること、(3) 次の打ち合わせで決めること、(4) 公式資料へのリンク、の4つだけを用意します。固有の顧客名、売上、担当者名、交渉中の価格は仮名にも置き換えず、入れないのが確実です。使う資料は、すでに社外共有が承認された版だけにします。
Step 2:ChatGPT Sitesで下書きを作り、表示を人が直す
ChatGPTのWeb版ではWork、デスクトップ版ではWorkまたはCodexから、Siteを作る会話を始めます。プロンプトに「website」または@Sitesを入れると、Site作成を明示できます。生成結果はそのまま配らず、プレビューで文言、リンク、スマートフォン表示、不要な入力欄がないかを確認します。
@Sites 次の内容で、商談後に共有する1ページの案内サイトを作ってください。
目的:相手が次回打ち合わせまでに確認する項目を分かりやすく渡す
対象:こちらがメールで指定する閲覧者だけ
掲載する内容:
- 課題の整理(一般化した表現のみ)
- 提供できることを3点
- 次回までの確認事項を3点
- 当社の公開済み公式資料へのリンク
制約:
- 顧客名、個人名、価格、契約条件、未公開情報は書かない
- 問い合わせフォーム、自由記述欄、ログイン機能は付けない
- 「これは検討用の案内であり、契約内容ではない」と明記する
- 見出しと箇条書きを中心に、スマートフォンでも読みやすくする
生成された表現に、事実と異なる導入実績、対応範囲、数値が混ざっていないかを確認します。リンクは実際に開き、リンク先も公開してよいページかを確かめます。ChatGPTの提案は原稿の下書きであって、会社の約束ではありません。
Step 3:共有範囲を「名前のある閲覧者」に設定する
- プレビューで確認を終えたら、Shareを開く
- 利用できるメール入力欄で、招待する相手のメールアドレスを1件ずつ入れる
- 閲覧専用になっていること、意図しない「インターネット上の誰でも」やワークスペース全体の設定が残っていないことを確認する
- 共有設定を保存し、公開する。発行されたURLは、社内の確認者に先に送る
招待された相手は、招待を受けたアカウントでサインインして閲覧します。相手が違うアカウントで開くとアクセスできないことがあります。「URLを開けるか」だけでなく、想定したアカウントで見られることを確認してもらいます。外部閲覧者は編集・公開できず、ワークスペースの他の情報にもアクセスできません。
送信前の30秒チェック
- 内容:名前、金額、約束、リンク先、画像に社外秘や誤りがないか
- 範囲:閲覧者リストに必要な相手だけがいるか。「公開」や他の広い対象が有効になっていないか
- 体験:社内の別アカウント、または招待相手に、受信アカウントで開けるかを確認してもらう
- 記録:共有したURL、版、招待先、確認者、見直し日をCRMまたは案件メモへ残す
送信メールには「閲覧用の案内です。内容の確認は次回打ち合わせでお願いします」と用途を書き、URLを再転送しないよう求めることも検討します。相手や案件が変わったら、前のSiteを流用せず、共有者リストと内容を見直します。
限界とリスク
- ChatGPT Sitesはパブリックベータで、利用できるプラン、ロール、共有項目はアカウントとワークスペース設定、段階的提供によって異なります。表示されない場合は、個人で回避せず管理者に確認します。
- Enterprise/Eduで外部閲覧者を招待するには、管理者がSitesと外部招待をロールに許可する必要があります。閲覧者を外しても、公開やワークスペース全体の別のアクセス設定が残れば見られる場合があるため、残る対象も確認します。
- Sitesではプロンプト、アップロード・参照ファイル、コード、URL、設定、保存領域、ログなどが扱われることがあります。データレジデンシー/推論レジデンシーは開始時点では対応していません。機密性や保管場所の要件がある案件には使わないでください。
- フォーム等で訪問者の個人情報を集めると、作成者側のプライバシー・法的な責任が増えます。今回の最初の運用では、入力欄を作らず、問い合わせは既存の承認済み窓口へ誘導します。
まとめ
外部閲覧者への限定共有は、広く公開せずに、商談後の案内を読みやすい形で渡す選択肢です。価値が出るのは、AIに顧客情報を書かせることではなく、公開可能な説明を短く整え、誰に見せるかを明示することです。最初は一般化した4ブロックだけで作り、内容・共有範囲・閲覧体験を人が確認してから送ってください。
出典・確認日
- OpenAI Help Center:ChatGPT Release Notes(2026年9月3日、ワークスペース外の指定相手とのSite共有)
- OpenAI Help Center:Creating and managing ChatGPT Sites(作成、公開、外部閲覧者招待、利用条件)
- OpenAI Help Center:Managing ChatGPT Sites for your workspace(管理者設定、外部閲覧者、データ上の留意点)
上記の一次情報を2026年9月5日に確認しました。機能はベータ版かつ段階的提供であり、表示・権限・利用可能地域は変わることがあります。実際に共有する前に、自分のアカウントとワークスペースの設定を確認してください。